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■ZEROSSOのキャッチフレーズは、「感性の完成」。
目指すものは、「心を満たし、思いを満たすモノ創り」。家具創りを通して、人の心を豊かにし、人と人との心を結ぶお手伝いをしたい。これがZEROSSOの願いです。

時間と共に色や風合いが変化しながら、暮らしの日々が刻まれていく木製家具。そしてONLY ONEの家具へ。変化する過程をゆっくりと楽しむことが、家具との長いお付きあいです。

ZEROSSOは、オリジナル家具、オーダー家具、インテリア小物、玩具等の製作、プロトタイプの製作、オリジナルデザインの提案などを行っています。

ZEROSSOが考える家具創り4つの基本概念
■ デザイン
フォルムが美しく、かつ機能的.。
シンプルなデザインだけれども、面白い。
シャープだけれど、あたたかい。
凛とした雰囲気を醸し出し、存在感がある。

■ 材 料
使用するのは基本的に無垢材です。カバ、タモ、ナラ、サクラ、クルミ、クリ、ウォールナット、メープル、チェリーなどの広葉樹が中心です。合板の使用は最小限にしています。

■ 構 造
接合は「ほぞ」と「ほぞ穴」による木組みを基本とし、木の収縮・伸長を考慮して、出来るだけ木の動きを妨げないようにしています。長期間の使用に耐えられるように、丈夫な接合にすることを心がけており、与えられた条件の中で、出来るだけ強度が増す組み方を工夫しています。ビスやクギは必要最小限の使用に留めるようにしています。これらの木組みに接着剤をつけて組み立てます。使用する接着剤はシックハウス症候群などで問題とされる化学物質の含有の少ないものを使用しています。

■ 仕上げ
仕上げには自然原料のオイルとワックスを主に用います。厚い塗膜で覆うのではなく、木にオイルを染み込ませ、その上にワックスをかけることで、木の性質を活かしたまま木材を保護します。基本的に着色はせずに、木の本来の色を活かすようにしていますが、使用するオイルの種類や塗り重ね回数などを変えて濃淡を調節したり、柿渋で染色することや漆を使用することもあります。また、テーブルなど輪染みが気になるような場合、必要に応じて適宜ウレタン樹脂塗料も用います。


抽斗(ひきだし)は宝箱。
子どもの頃から大学に至るまでの長い期間、清水氏は常に何かを作っているような生活をしていました。粘土細工から始まって、流行のプラモデルや紙飛行機、凧にコマ、ゲームに釣り道具(特にルアー)と、作ることが好きでたまらないような子どもでした。 そんな工作好きの清水氏が何よりも大切にしていたものは、学習机の抽斗でした。高度成長期に流行ったあの本棚とライトがついた学習机です。しかし、清水氏にとってその机は勉強するよりも特別な存在で、完全に作業台でした。その中には様々な道具や、ありとあらゆるガラクタ、すなわち壊れた電気製品を分解したパーツや拾った部品、紙の箱、竹や木の破片など、それこそ何かに使えそうなものを分類整理して収納していました。何かを作ろうかと発想すると、抽斗を開けてみて、その材料でどのように工夫すれば出来るかということを絶えず考えては試行錯誤していました。そこは自分の夢と希望がたくさん詰まっていた宝の箱であり、アイデアを生み出す材料の宝庫でした。何かおもしろいものが作れないかといつも考えており、抽斗を開けるだけでワクワクしていました。 木工作家となってある時期から、抽斗のある家具にとても惹かれるようになりました。機能的に優れていて、箱としても美しく、何を入れようか考えることが楽しくなるような抽斗のある家具を作りたい、その思いが強くなっていきました。それは「自分がワクワクしていた当時の気持ちを、自分の作る家具で感じてもらえたとしたら、どれほど嬉しいことだろう」、という思いであることに気がつきました。抽斗自体に何かの思いを持っている人は珍しいかもしれません。ましてや美しいことやワクワクする気持ちなど必要ないかもしれません。でも清水氏は、自分の中に流れるこの思いを家具に表現することで、新しい家具の魅力・抽斗の魅力を伝えることが出来たら嬉しいと思わずにはいられないのです。

母のマジック。
小学生のころ、郊外に一戸建てを購入した清水家、そのリビングにはソファのセットとセンターテーブル、テレビがあり、出窓にグリーンが置いてありました。工作や勉強を終えて、プロ野球や好きなテレビ番組を観ることも清水氏の楽しみな時間の一つでした。いつも手入れされていたリビングという空間。ソファに座る時間は、清水氏にとって心穏やかに落ち着ける時間でした。家具の配置は母親が決めていましたが、ある日学校から帰ると、朝とは全く違う家具のレイアウトになっていました。この方がいいと思って母親が一人で替えたのでした。それはその後もしばしば起こりましたが、部屋の雰囲気を一変させることに、素晴らしい効果をもたらしましたし、気持ちが良くなるので、清水氏にとって大好きなことでした。同じ部屋であっても、家具のレイアウトを変えることで全く違う部屋になることを、生活しながらに体験していました。家具の配置にも目が向くようになりました。 家具を作りながらも、その家具が置かれるであろう空間を想定したり、こんな家具があればもっと豊かな暮らしを提案出来るかもしれないと日々思っています。自分で創作した家具で部屋をパッと活き活きとさせたり、そこに生活する人たちの喜びが増えたり、そんなことが出来れば良いと思っているのです。

子どもたちへの思いから。
清水氏に初めての子どもが生まれてから、この子には自分の手作りのおもちゃを与えて育てたい、という思いが頭をもたげてきました。その思いで作ったのが木のクルマでした。住宅建築現場の廃材置き場から材を集めたりもらったりした木を使い、接着し、削り、磨き上げました。これが木工品としての記念すべき第一号でした。そしてある日の勤め帰りに立ち寄った本屋で見た「手作り木工事典」という本。この本との出会いが衝撃的であり、結果的に人生を変えるきっかけとなりました。家具ってこんな構造になっているんだとか、ルーターという電動工具があり、これを使えばこんな加工が出来るんだとか、とにかく初めてのことばかりで、夢中になって読んだそうです。それからは次々に家具の製作に取り掛かりました。台所のワゴン、子供達のイス、食器棚、子どもたちの学習机とワゴンのセット、2段ベッドなど。ホームセンターの2×4材を駆使して、マンションの一角や廊下など、あらゆる場所を利用して作りました。その後、脱サラして木工の道へ進むことになりましたが、子どもたちへ安全な手作りのおもちゃや家具を与えてあげたいという親としての思いが、木を使って家具を作るということへの直接的な契機となりました。二人の娘さんへの誕生日プレゼントに作ったクルマは、使い込んだ跡を刻み最高のインテリアとなっています。子どもの学習机、2段ベッドや食器棚などすべてが現役で清水家で息づいています。使い込むほどに味が出て、暮らす人たちの思い出が刻まれていく。そういう家具の良さを多くの人たちに知って欲しい、そのお手伝いができれば嬉しいと、清水氏は語ります。

Profile
清水 泰
1965年 神奈川県に生まれる
1988年 早稲田大学教育学部理学科卒業
1990年 東京水産大学水産学研究科修了
2000年 10年間勤めた製薬会社を退職
2001年 埼玉県立飯能高等技術専門校修了
2002年 山梨県で工房YASUSHI開設
2003年 第1回個展開催
2005年 第23回朝日現代クラフト展入選、G折々:個展
2006年 G濫觴:個展、富士の国やまなし館:個展
2007年 第25回朝日現代クラフト展入選 名古屋松坂屋:グループ展、富士の国やまなし館:個展
2008年 G晩紅舎:個展、G濫觴:個展、銀座ハンズ:グループ展
2009年 第48回日本クラフト展入選、高岡クラフトコンペ入選 Gカーサタナ:個展、G亜絲花:二人展
2010年 第49回日本クラフト展入選、高岡クラフトコンペ入選 G晩紅舎:個展、Gカーサタナ:個展、G亜絲花:個展、IFFT展出展
2011年 G亜絲花:二人展、IFFT展出展
2012年 工房名を「ZEROSSO」に改名
(注釈;上記内容はZEROSSO Web Site http://www.zerosso.net より引用)

山梨県北杜市、アルプスの山々に囲まれた八ヶ岳の麓に、「ZEROSSO」の工房はあります。取材に伺ったのは初夏の匂いのする6月の中旬。新緑がまぶしく、思い切り深呼吸したくなる、まさに雄大な大自然の中でした。中央道の長坂ICを降りて約10分。東京から2時間ほどの距離で、これほどの大自然が待っているとは、思いもよらない光景でした。

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はるか彼方には、まだ冠雪の山並みがそびえ立ち、森が静かに呼吸しているのが感じられます。喧騒的な日常を忘れ、ゆっくりとした時間が流れています。日の出と共に起き、日の入りと共に仕事を終える、本来の人間の姿を取り戻すことが出来そうな環境に、すっかり心洗われます。良いものづくりは、良い環境の中でこそ行われる、ことを実感しました。

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古い倉庫を改造したZEROSSOの工房。使い込まれた作業デスク、道具類、材料、オイル。一歩踏み入れた瞬間から、職人魂が注ぎ込まれた独特の空気が体中を包み込みます。生半可な気持ちではここに居たたまれない、そんな気概をも感じます。

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そこに清水氏は居ました。普段の穏やかな風貌とは全く違う、職人の姿でした。握手したその手は、長年の作業で鍛え上げられた人だけが持つ、職人の手の平をしていました。見ただけで虜になる製品が、この場所から、この手で生まれたのかと思うと、感慨深い思いに駆られました。

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清水氏のこだわりは、機械に頼らない、手仕事で仕上げること。もちろん材料を切断したり、穴を開けたり、といった機械のほうが優れている作業には、専用の機械を使いますが、磨いたり、削ったり、製作における基幹作業は全て手で行います。

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その為に揃えられた道具達。トライアンドエラーの果てに巡り会えた、納得出来る道具のみを、本当に長く使い続けています。クランプ、鉋、ノミなどなど。どれも清水氏とともに長い時間を歩んできた、心強い相棒です。

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鉛筆はお子さんが学校で使っていたものを譲り受け、持つことが出来なくなる長さまで使います。そこには木工を始めるきっかけとなった、清水氏のお子さんに対する愛情と、深い思い入れが表れています。

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木工職人として、一人で黙々と作業を続ける清水氏。一人がゆえに、気をつけなければならないことがあります。絶対に怪我をしないこと。代わりになる人が居ない、といううことは、怪我をして作業が出来なった途端に、お客様にご迷惑を掛けることに繫がります。楽しみに清水氏の製品を待っていてくださるお客様に、絶対に迷惑は掛けられません。

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清水氏は作業の慎重さには徹底的に拘ります。そしてそれが、本当の職人の姿であり、製品のすばらしさに繫がっていることを、ひしひしと感じました。作る製品にもその思いは端的に表れています。家具、雑貨、玩具、清水氏の作る全ての製品は、触り心地が抜群です。手に引っかかりがあったり、トゲが出ているようなことは100%ありません。それはものづくりに真摯に向き合い、使う人のことを考える、ひとつの答えでもあります。安心して使える製品を届ける。その姿勢は使われているオイルにも表れています。自然由来のオイルのみを使用し、木にも人にも優しい仕上げを施しています。特に小さいお子さん向けの玩具には、「蜜蝋」と「えごま油」を混合して作ったオイルを使用し、舐めても大丈夫な製品に仕上げています。

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この裁ちばさみは、清水氏が子供の頃、母親から譲り受けたもの。すっかり手に馴染んだこのはさみを今でも仕事で使っています。作業道具に拘る理由は、すなわち作業性と品質に直結するからです。良い腕に、まさに体の一部となるような良い道具が携えられて、初めて良いものが生まれます。「優れたはさみはたくさんありますが、子供の頃から使い慣れたこのはさみが一番使いやすい。」と清水氏は言います。それは使い勝手だけでなく、今の自分を導いてくれた、母に対する思いと共に歩み続ける清水氏の心意気でもあります。

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削りかすなどを払う手箒。これも長い間使い続けているものです。ものによっては箒の毛先がぽろぽろと落ちてしまい、すぐに使えなくなってしまいます。やはり本物の職人が作った箒は、長く良い状態で使うことが出来るのです。同じ職人として、この箒のように、長く使ってもらえる製品づくりを目指しています。

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工房にひっそりと佇む、年季の入った機械達。材料取りはこれらの機械から始まります。決して最新鋭ではないけれど、頑丈で、狂いがなく、壊れにくく、それでいて癖を持った、これらの機械を使いこなしてこそ、職人の腕が発揮できます。メンテナンスをしっかりと行い、道具達と同じように清水氏と共に歩んできました。跳ね返すような威光さえ感じる、威風堂々としたその機械に向かうことを許されるのは、相応しい職人だけのような気がします。

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清水氏の木工作品第一号となったのは、ご自分のお子さんの為に作ったこの車のおもちゃ。木工の経験が無かった時代に、本を片手につくったものです。誕生日のプレゼントに、自分で作った、安心安全な木のおもちゃを贈りたい。その思いでつくったこのおもちゃは、長く子供達に愛され続けた後、今でも味わい深い飴色のインテリアとしてお部屋に飾ってあります。

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こちらは清水氏が工房をスタートした時に作った、作業用の椅子。使い込まれて時代を刻んできたこの椅子も、現役で活躍しています。

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木工を始めた当初より取り寄せて読んでいる、海外の木工文献資料。清水氏のものづくりの、いわば先生です。日々の弛まぬ勉強と努力が、ものづくりを昇華させていくのです。

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工房の敷地には様々な植物が生えています。芹、蕗、ウド、タラ...時には摘んで帰ったこれらの植物が食卓に並ぶことも。なんともうらやましい環境です。

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そして工房の裏手には小川が。初夏には蛍が舞うほど綺麗な小川のせせらぎを聞いていると、いつまでもここに居たくなります。穏やかな陽の光と、草木の匂いに囲まれ、清水氏の創作は行われています。

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子供達の為に始めた木工が、いまでは様々な人達を幸せにし、木の良さを理解する人が増えています。そういう私も、今では1、2位を争うZEROSSOの大ファンです。八ヶ岳で開催される個展には出来る限り足を運び、清水ワールドを満喫しています。この愛情と想いに溢れるZEROSSOの家具と雑貨を、是非皆様にご紹介したく、今回取材させて頂きました。ここに書けない清水氏の裏話もたっぷりと聞け、人間味溢れる清水氏に益々惹かれるこの頃です。